太陽光に含まれる熱の要因を効率的に吸収・遮断する特性を持ち、現在、さまざまな業界で活用され始めている素材がある。住友金属鉱山株式会社(東京都港区)が開発した「SOLAMENT(R)(ソラメント)」だ。
「SOLAMENT(R)」は、レアメタル由来のナノ微粒子を用いた素材で、地表に届く太陽光の内42%を占める熱源「近赤外線」を吸収する特性を持つ。
昨今は、市場にさまざまな遮熱素材が流通するようになったが、他の遮熱素材と異なるのは、高い透明性だ。ヒトの目に見える可視光を透過するため、たとえば窓ガラスに利用すれば、明るさを保ちながら遮熱をして、内部の温度上昇を防ぐことができる。
この特性を活かし、建築物や乗り物、農業用のビニールハウスや屋外のテントなどに活用すると、光を取り入れながら、内部の温度上昇を効果的に防ぐことができる。住友金属鉱山は現在、農業、製造業、建設業など、さまざまな業界のパートナーと「SOLAMENT (R)」活用の取り組みを進めているという。
一般消費者向けには、「SOLAMENT(R)」を活用した繊維を使ったアパレル製品が流通している。
この春、ミレー・マウンテン・グループは、「SOLAMENT(R)」を採用したアパレル「SOL SERIES(ソルシリーズ)」を発表。フーディやアームカバーなどを発売した。ミレー社のシニアブランドマネージャー櫻井氏によれば、販売スタートして間もなく、完売が相次いだとのことで、反響に確かな手ごたえを感じているようだ。
実際に着用した人からは、暑い日に長袖のフーディを着用すると、かえって涼しく、屋外の活動の疲れが軽減したとの声が寄せられているという。
他にも「SNIDEL(スナイデル)」や「FRAY I.D(フレイ アイディー)」などのファッションブランドを展開する株式会社マッシュスタイルラボからも、カラフルでデザイン性の高いファッションアイテムが発売され、好評を博している。
今後もさまざまな用途が見込まれる「SOLAMENT(R)」。「今後、いろんな資材に展開する形で、全世界にアプローチしていきたい」と、住友金属鉱山のイノベーション戦略統括部長の東福氏は意気込みを語る。
今夏は、北半球のいたるところで熱波による災害が起こっている。「沸騰化する地球でどう暮らすか」という課題との対峙は、避けて通ることはできない。企業の社会的責任が問われる現代では、気候変動に立ち向かうための取り組みが求められており、「SOLAMENT(R)」の活用は1つの糸口となりそうだ。