5月26日、ヤマシンフィルタ株式会社(本社:神奈川県横浜市)と信州大学(法人本部:長野県松本市)が、次世代ナノファイバー素材の共同研究プロジェクト「SHIN-PROJECT」の始動を発表した。

ヤマシンフィルタは、産業用フィルタを開発・製造するメーカー。建設用機械の油圧フィルタで世界トップシェアを誇るなど、国内外のさまざまな産業を独自の技術で支える。ヤマシンフィルタと共同研究をスタートするのが、国立大学の信州大学だ。国内で唯一、繊維学部を有し、世界的にも有数の研究実績を誇る。

■次世代ナノファイバーの共同研究で3年以内の社会実装を目指す

共同研究プロジェクト「SHIN-PROJECT」のテーマは、次世代ナノファイバー。新たな素材を開発するだけでなく、3年以内の社会実装・製品化を目指すという。ヤマシンフィルタ、信州大学ともに、ナノファイバーに関する開発・研究を継続的に行ってきた実績を持つ。

まず、ヤマシンフィルタは、量産性に優れた独自のナノファイバーの開発を実現している。吸音性・断熱性・不燃性という特徴を活かし、続くステップとして、幅広い分野への技術応用の可能性を探っていた。

一方の信州大学は、2008年に世界で初めてナノファイバーの大量生産プラントの開発に成功している。金翼水(キム・イクス)卓越教授の研究室では、ナノファイバーに「センシング」や「シールド」などの機能を付与する研究を行っている。

「SHIN-PROJECT」は、ヤマシンフィルタと信州大学がそれぞれ培ってきた知見を結集させ、ナノファイバーに「プラスアルファ」の機能を付与することで、新たな価値を創造する狙いがあるようだ。

熱・電磁波・音など「見えない領域」をフィルタする製品を生み出すことで、環境・資源のリスク、次世代インフラ技術への対応など、さまざまな社会課題にアプローチすることにもつながると、ヤマシンフィルタ代表取締役社長の山崎敦彦氏は語る。

ナノファイバーの研究は、世界的にもまだ発展途上にある。共同研究によって、日本の産業の新たな可能性が開かれていくことを期待したい。