今年で2回目の開催となる美容師のコンテスト、「GEKI→HEN AWARD 2026」の表彰式が行われた。このコンテストは、カット技術を競うような従来のものとは異なり、SNS動画と一般視聴者審査で評価される。Before→Afterの“激変”ぶりを動画の軸に置きつつも、美容師に求められるあらゆるスキルを短い動画の中に収めるという次世代型のコンテストだ。

SNS発信が生み出すヘアサロンの新しい需要

「人生、ガラッと変えてゆけ。」をコンセプトに2025年に始まった動画コンテスト、「GEKI→HEN AWARD 2026」。今年の応募総数は890作品で昨年の753作品を上回る応募となり、このほど表彰式が東京・渋谷で行われた。

もともとは2020年、コロナ禍で美容室に行きたくてもなかなか行けない客と美容師を動画でつなぐ取り組みがコンテストの原点にあるという。いまやSNS投稿は美容師にとって欠かせない営業活動のひとつになっている。

SNSの投稿から、どんなヘアスタイルを得意としているのかといった美容師のスキルを知ることはもちろんのこと、店の雰囲気や施術の流れ、ひいては美容師の人柄までも事前に掴むことができ、美容室選びの判断材料になっているからだ。

そして、SNS発信は国内にとどまらず世界に向けて打ち出すことができるツールでもある。近年のインバウンド需要は美容室にもその波が来ているのだとか。本コンテストを主催する美容室向け化粧品の総合メーカーである日華化学株式会社 デミ コスメティクスカンパニー 企画統括本部 副本部長 佐々木良氏が話す。

「今回の応募の特徴としましては、海外から日本に来て髪を切られる方など外国人のお客様の動画が多く見受けられました。少し前までは、シャンプーやトリートメントといったコスメのジャパンクオリティーを求めて来日の際に購入するという外国人の方が多かったです。最近はSNS の普及によって、日本の美容師さんの技術を体験しに海外からお客様が来られているという変化を大いに感じています」

インバウンド市場の拡大は、日本の美容技術への関心の高まりとともに今後も期待されるところ。市場拡大のきっかけにもなっているSNS投稿、その栄えあるグランプリは……?

グランプリは仲野文彬さん(MASHU)に決定!

GEKI→HEN AWARD 2026の審査は、現役美容師やインフルエンサーによる評価に加えてTiktokとInstagram上での「いいね数」や再生回数なども考慮した総合的な方法を採用している。

審査員には、LIPPS hair 渋谷 2nd floorの石井里奈氏、ZYNX渋谷のTAKUMA氏、aid美容室の比見幸平氏、そして昨年のグランプリを受賞したAmouteの横井拓徹氏といった人気美容師が顔を揃えた。

式典には7名のファイナリストが出席。一般審査員賞、審査員特別賞などが贈られ、準グランプリには原田大輝氏(STAGE)が選ばれた。受賞に際し、それぞれの応募投稿動画を投影。各審査員から評価のコメントが送られた。

仕上がりの激変ぶりからわかる確かな技術力、しっかりと「似合せ」ている点、激変に対する客の満足度といった部分が評価のポイントとなっている。また、カウンセリングでのやり取りも評価に大きく影響していたところなど、高いスキルを踏まえたうえで美容師を総合的に審査していることが窺えた。

そして、応募総数890作品の頂点に立ったのは、仲野文彬氏(MASHU)だった。仲野氏の動画について審査員の石井氏は次のように評価した。

「まずは、めっちゃ可愛いなって思いました。個性的に、というお客様のオーダーにも応えていて、可愛さも表現していました。毛先のグラデーションは、ちょっと難しい技術だと思いますが、色を似合わせた上で綺麗な仕上がり。スタイリングも個性的な感じで、顔周りにかかるところがとても可愛く、技術力も含めて素敵だなと思いました。弾き語りをしているというお客様のそのライフスタイルに合わせた似合わせもできていて、グランプリにふさわしい作品だったんじゃないかなと思います」

受賞作品の詳細は公式ホームページから見ることができる。

「GEKI→HEN AWARD」公式サイト:https://www.demi.nicca.co.jp/gekihen/index.html

客がどうしたいかに寄り添うカウンセリングに加えて、施術を終えてヘアスタイルが完成したら終わりではなく、客のライフスタイルやその先の未来の姿まで想像している美容師という職業の奥深さ。フィナリストのもっと技術を磨きたいという向上心の高さにも感銘を受けた。今コンテストは、次世代を担う美容師の新たな登竜門となっていくかもしれない。